それから、あの頃は?

ふりカエル

それから、あの頃は?
その4

カタログをつくるようになると、とにかくモデル撮影までが大変で…。
まず撮影予定日までに誌面のデザインを考えて制作し、ご提案。このデザイン提案も、まずは新商品がどんなものなのか?ヒアリングしてサンプルを見せてもらい、商品イメージを誌面に表現していきます。モデル写真は、どういうシチュエーションで、どんなロケーションで、どんなイメージなのか?それも仮で合成したりしながらつくり、デザインカンプにして提案していきます。

また、その商品をカタログの何ページ目に、どれくらいのボリュームで掲載するのか、ページネーションを考え、擦り合わせていきます。それらが固まりつつあるぐらいのタイミングで撮影台本・香盤表を作成します。出演モデルやロケーションの段取りや手配は、フォトディレクターさんにやっていただけるのですが、その方とも何度も擦り合わせをしていきます。

モデル撮影当日(当時は3日〜6日間くらいでした)は、デザイナーとして立ち会います。デザイナーとして、とはいえ、打ち合わせやディレクションもやっていきますので、つねにバタバタとやっていく感じです。
撮影立会いをするようになった初めの頃は、ただディレクターさんについて行き、撮り漏れがないかチェックして、モデルさんの着合わせが合っているか、変なシワができていないか全カット見ていくのみのお手伝いさん状態でした。

何度か撮影を経験していくうちに、自分なりのこだわりのようなものが、デザイン段階から出てくるようになり「どうしてもロケーションはこんな感じにしたい!」「この商品のイメージは全カット統一したい」などと思い、年配のディレクターさんにぶつけてみると…
「そんなの必要ないし、今言われても困る」「そういうことよりこの撮影を上手く終わらせるために、やらないといけないことがあるんだからっ」と叱られたりするようになりました。
説得力のない提案やこだわりは、ディレクターさんや先方のメーカー様にとっては、大変な撮影を無事にやりきる妨げにしかなっていなかったのです。

なので、どうすれば良いのか反省し、考え直して、まず撮影ではしばらくサポートに徹しました。
以前のように「撮り漏れがないか」に加えて「次のカットを把握しておき、次なんだっけ?に素早く対応」や「ヘアメイクさん、カメラマンさんとディレクターさんの橋渡し」をやりまくる。
ロケ地に着いたら当日ロケハン(撮影現地の下見を当日にも行う)に付いていき、ディレクターさんにカット数を伝え、足りないカットの場所候補を提案してみたり。
撮影中の「変なシワできてないかチェック」に加えて「メーカー様の要望を聞いてディレクターさんにそっと伝える」ということをすると、撮影チーム全体で新商品のことを理解してくれているとメーカー様から褒めてもらえたり。

そんな感じの撮影を何度かやった後、ある年の撮影日に「この商品はエレガントでクラシックなイメージなので、昨日撮ったイメージと統一したいですっ」とディレクターさんにぶつけました。
その日のロケーションはクラシックなイメージとは程遠いビジネス街で、ディレクターさんも都会的なイメージで服の世界観を広げる撮影プランだったようで、何年か前の叱られた時のような変な空気になりました…が、

続けて、誌面デザインや撮影資料を改めて見てもらいページの構成を説明し直した結果、ディレクターさんは「ふむふむ、そーなの?へ〜、んじゃあ…」と、ビジネス街の隅のクラシカルな柱や扉を見つけて場所変更。「ね、こういうことだよね?」と撮ってくれました。
そこからは、ディレクターさんの方から「次のこれってどんなイメージなの?」と聞いてくれるようにもなり、やっとデザイナーとして撮影立会いができたと初めて思うことができました。

デザインには、いかにコミュニケーションが大切か。ひとりではなく、たくさんの方々とチームとなってつくっているのだと、何年もかかり学びました。

日下

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シマダクリエイティブ

Author:シマダクリエイティブ
岡山県岡山市に拠点を置くデザイン制作会社です。
各業種のポスター、カタログ、パンフレット、折込チラシ、パッケージ等の販促ツールの企画・デザイン制作を行なっています。
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